運命の赤い傘

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スランプ。 停滞期。 どん底。 底なし沼。 人生にはどうあがいてもうまくいかない時期と言うものが必ずあって、それは誰にでも平等に訪れるものだとこれまでの人生で何度も耳にする機会はあった。 幸せが永遠には続かないように不幸も永遠には続かないとか、 明けない夜はないとか、 すでにそれを乗り越えてきた先人たちの言葉に半ば押し流されるようにして何とかここまでやってきたとは思う。 何もかも投げ出しそうになる夜を何度も越えて、明日は輝かしい朝が訪れるかもしれないと希望を捨てずに歩いてきたと言う実感だってある。 だから今日がその「何もかも投げ出しそうになる夜」であることには気付いているし、そこで本当に投げ出すべきではないこともちゃんとわかっている。 それでも人はきっと自分が不幸な時ほどじっとしてはいられない。 例えばそれが事態をより悪化させるようなことになったとしても。
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