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ユライア王国ラング領。
この地を治めるのは、金髪碧眼の兄弟。十六歳のラング家長兄メサイア・ル・ラングと、十歳の弟リヒト・ル・ラング。
この国では十代で当主の座に就くというのは、稀なことなのだが、二人の両親は、つい先日、馬車ごと谷底に落下し、変わり果てた姿で発見されたのだ。
当初、ラング領は隣の領地と統合される予定だったが、それに二人は異を唱え、また王国の第一王子ウィリアムが気にかけるということで、統合は免れたのだった。
だが、ウィリアムにはある思惑があった。
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