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ウィリアムは背も高く、鍛え上げられた肉体をしている。そして眼光は獲物を狙うかの如く、鈍い光を放ち、肌に刺さるような鋭い気が発せられる。
だがリヒトは、顔色ひとつ変えなかった。
「子供にしかできないこともございます。それに兄上には、二つのことを同時にこなすのは、はっきりいって無理です。なので、兄上にはラング家当主としての勤めを、果たしていただきたく思います。なにより」
「なにより?」
「仮に僕が事件の解明の最中に死んだとしても、我がラング家は兄上がいる限り、存続します」
弟の言葉に、メサイアは思わず口を半開きにする。たいしてウィリアムはというと、
「アハハハハハ!」
と、高笑いをしていた。
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