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小学校の卒業式が終わって、家に帰る途中、母さんがしみじみ言った。
｢こうして宗ちゃんと帰れるのも最後なのね。さみしくなるわ｣
｢私もさみしい。茜ちゃん、今まで宗介と仲良くしてくれてありがとうね｣
あたしの頭の中ははてなでいっぱいになった。
あたしたちの小学校の子供は私立に行かない限り大抵一緒の中学校に行く。宗介は私立を受験していなかったはずだったから当然、一緒の中学校に行くはずだ。
｢えっと、どういうこと？｣
あたしが混乱しながら尋ねると宗介の母さんが
｢あら？宗介、茜ちゃんに言ってないの？自分で言うから言わないで言うから私たちは黙っていたのに｣
と驚いて言った。
｢宗介、どういうこと？｣
とあたしはつかみかかる勢いで宗介に詰め寄った。
｢…ごめん。どうしても言えなかった。お前泣くと思って｣
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