再会

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帰宅ラッシュ時からだいぶ過ぎた時間帯。それでもそこそこ人が乗り込んで電車の中は蒸し暑さが漂っている。 やっとシートに座ることができたあたしはぼんやりと流れる景色を眺めていた。ふと出入口のほうに目をやると、おとなしそうな女子高生が手すりを握りしめ、辛そうにうつむいている。 具合が悪いのかな?と思ったけれど、よく見ると様子がおかしい。 痴漢だ!混んでいるといっても人が密着しなければならないほどの混雑ではない。それなのに男が女子高生の後ろにぴったりくっついている。 あたしは席を立ち、すぐさま現場に近づいた。 やっぱり!男の手は女子高生のスカートの中にしっかり入っている。 声をかけようとした瞬間、あたしの反対側から近づいていた別の男が痴漢男の手を無言でつかんだ! ギョッとした痴漢男が慌てて振りほどこうとしてもびくともしない。やがて電車が駅に到着した。 すると男は女子高生に「一緒に来て」とだけ告げて、痴漢男の手をつかんだまま降りた。
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