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それは思いもよらない誘いだった。
嬉しく思う反面、この学園の図書委員は結構ハードだと聞くため、少し不安も覚える。
「……考えてみる。私、ちょっと本探してくるね」
頬が熱い。
赤くなった顔を見られるのが恥ずかしくて、私はとっさに三階の閉架書庫へと向かった。
そこにはいつも通り、白いブラウスに辛子色のスカートという季節外れな格好をした五十鈴先生が、にやにやと笑って私を待ち構えていた。
「私、図書委員になるかもしれません」
「聞いてた。大変だよ、委員は。ここの司書の遠山先生は、私より厳しいからね」
五十年も図書棟に居付いている「守り神」にそう言われても、不思議と不安より期待の方が上回っている自分に気付く。
「まあ文学少女なら大丈夫だと思うけど。頑張りなよ」
「……ありがとうございます」
それから三か月後、順調にエスカレーターで高等部に進学した私は、森さんとの約束通り晴れて図書委員会の一員になった。
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