プロローグ『なんでこんなことに――!?』

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プロローグ『なんでこんなことに――!?』

 なんか黄色い甘ったるい液体を口移しで飲まされて、着ているものを全部引っぺがされた。  ノアはお尻を高く上げて枕を抱いて四つん這いにさせられた。 (ななな、なんてカッコさせられてんの、オレ――!?)  しかも、お尻の孔にセラフィムの指が挿入(はい)っている。  しかも、なんかぐちゅぐちゅと厭らしい水音を立てている。  恥ずかしくて今なら死ねるっ! 「うーーっ」  唸り声をあげて羞恥に耐えながら枕を抱きしめていると、突然ドクンッと心臓が大きく跳ねた。 「ひぁ……ッ」  セラフィムの指をきゅうんと締めつけるような感覚と共に、胎内(ナカ)が酷く疼いて、熱くてずくずくに溶けていきそうなおかしなカンジがした。 「あ、……んぅ、ふぁ」  顔が熱い。息が整わない。  ナニコレ、なんだろう。  ふにゃふにゃして、うずうずする。 「せらふぃむ……、おれ、なんかヘン……ッ。からだ、アツイ」  振り向いてそう伝えると、セラフィムは「それでいいんだよ」とだけ短く返事をし、ずるりと指を抜き去った。  ノアはシッポをグイッと掴まれて、お尻を高く上げ突っ伏してしまう。 (ななな、なんでシッポ生えてんの、オレ――!?)  なんと今、ノアのお尻には黒くて長い毛足の短いシッポが生えている。  ずっと感じていた違和感の正体はコレだったのか! (まって、ま、ましゃか……ッ!?)  両手でアタマを抱えると、な、なんかある……ッ! 「み、耳イィィ――――ッ!?」 「ああ、可愛い獣耳が生えているね」  そう言って頬を寄せて耳元で囁かれて、ははわわわわと慌ててしまう。 「いい子だ。ノア。じっとしていなさい」 「ひっ、や……、やめ」  セラフィムがノアの腰を掴んだ。  蕩けるような感覚に変わったお尻の入り口に熱くて硬いナニカが押しつけられた。 「大丈夫。もっと()いモノを挿れてあげよう」 「うぁ、あ、ァア……ッ!」  腰をしっかりと抱えたまま、ぐぷぷ……ッと押し()ってくるナニカ。  メリメリと押し拡げられる感覚。 「やぁ、ァああ、……ア――――ッ!!」  ノアは圧倒的な質量のみっちりとした長くて硬いナニカを無理矢理突き()れられて、串刺しにされるような感覚に目を見開いた。 「ぁあ……ァアア、ア……ッ」 (し、しんじゃう。も、むり。これダメなヤツ……)  ノアは己の身体の核まで貫かれたような衝撃に、このまま粉々に砕け散ってしまうのではないかと思った。  息ができない。苦しい。  己の全ては今、ぜんぶ、ぜんぶ、セラフィムの掌の上にある。  そう思った。  繋がったまま背後から強く抱きしめられて、全裸の剥き出しの肌にセラフィムの美しい藤色(グリシーヌ)の長い長い髪が絡まる。  背に腕に脚に、ノア自身にも。  ノアはくらくらと目眩がした。 (なんで……、オレはただ、アンタの……) 「……やっと見つけた。私の唯一の星(エトワール)。……誰にも渡さない」  耳に心地よい、しかし他者を従わせずにはいられない絶対君主のテノールボイスを耳元で落とされて。  ノアはかくんと力なく項垂れた。 (……なんで。なんでこんなことに――――!?)
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