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ラーメン屋に向かう途中…
2人前を歩く佐原くんと水野。
今日話し始めたばっかだってのに意外とふたりの距離が近い…水野のコミュ力どうなってんだ。
「…水野、人との距離の埋め方上手いよなぁ」
「え?あ、うん。今それ思ってた」
「水野の方?」
「え?」
「え?いや、てっきり佐原の方を気にしてんのかと?」
「……な、なんで?!」
「だって海斗、教室いる時も気にかけてたでしょ?あとたまに宇井?だっけ?あいつが話しかけてるとこ見るとムッって顔してるよ」
そう言って城崎はケラケラ笑い出した。
そんなっ、わかりやすく顔に出て?!
「まーでも男子校だし…そーゆーの珍しくもないから、いいと思うけどね!」
「そーゆーのってなんだよ!!」
「え、だから…(男同士の恋愛?)ボソッ」
「お、俺は別にそんなんじゃねーよ!考えたこともねーよ!」
「あれ?そうなの?」
「後ろの2人何盛り上がってんだよー!もう着くぞー!らーーめーーん!」
「おー!!……それと、これ誰にも言ってないから内緒ね。(……実は俺水野の事好きなんだ)ボソッ」
今、すごいカミングアウトされた気がする。
でもそれを言ってくれた城崎はすごく堂々としてて、ちょっとかっこよかった。
駅前にあるラーメン屋は同じ学生で溢れていたカウンター席が2つずつ空いていた。
…これは気を利かせた方がいいよな?
「俺と佐原くんこっちで食うわ」
「えー!俺も佐原と食べたかった~!」
「佐原もお前とずっと話してたら疲れるだろ」
「なんだと~?!」
とかなんとか言いながら結局俺は佐原くんと食べることになり、注文したラーメンを食べ始めた頃、佐原くんが口を開いた。
「常和…くんて、す、す、好きな人居ますか?!」
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