繋がる妄想 

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あの日は、 私が家を出たときからやや小雨がパラついていて、 傘を片手に、歩いて近隣のコンビニに向かっていった。 ものの数分で雨足は強くなり、周りの音は雨でかき消された。 私はトートバックが濡れないよう内側に抱え直す。 ここ数年のゲリラ豪雨は全く予想できない。 傘を持ち合わせない人も、もちろんいる。 たまたま前方に見える小学生がずぶぬれになっているのが忍びなくて、 持っていた折り畳みの傘を差しだした。 その真っ赤な折り畳み傘は、男の私には使い勝手が悪く、 ほとんど使った試しがない。
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