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「あ、ちょっ、やめっ……」
薄い胸の突起に唇を寄せてついばむように口に含むと、目尻に涙を浮かべて嫌々をする。
いつもは快活に笑うその口が紡ぐ力ない抵抗の声が愛しくて、俺はますます彼を苛めてみたくなる。
「イヤ、じゃないだろ?」
耳元に唇を寄せて囁けば、本当にイヤなのだ、と言わんばかりに自由を奪われた身体を精一杯強張らせて抵抗を試みる。
そんな彼の意志などお構いなしに、俺は俺がしたいように相手を蹂躙していく。
***
「……ッ」
余りにも強く心に思いすぎているからだろうか?
ここのところ、毎晩のように忠成の夢を見る。
それも決まって彼を陵辱する夢を――。
そうして、目覚めた後決まって下着を洗う羽目になる自分が情けなくて、俺を宙ぶらりんの状態にしたままの幼なじみが憎らしく思えてしまう。
いっそ夢の中でそうするように忠成を押さえつけられたなら。
ふとそんな危険な思考までが頭を過ぎって、俺はその考えに苦笑した。
(んなことしたら――)
きっと忠成は一生俺を許してはくれないだろう。
でも……。
もしかしたら、流されるようにその状況を甘受してくれる可能性もあるんじゃないだろうか?
そんな期待もしてしまって……俺は自分の浅はかさに溜め息を落とす。
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