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日ごと強くなっていく想いを抑制して今まで通り幼なじみを演じているから、夢にはけ口を求めてしまうんだろうか?
俺はこんなにも忠成が欲しいのに、当の本人が何とも思ってない風なのがまた腹立たしくて――。
そう思ってはある一定の距離まで忠成を追い詰めて見るくせに、最後の一歩で詰めが甘いのは俺が臆病だからだ。
余り詰め寄ってしまったら、彼に嫌われるんじゃないか、と。
それを知っているから、忠成はそこに逃げ道を見出す。
真っ直ぐ彼の目を見詰めて「我慢できない」――。そう、告げたなら現状は変わるだろうか?
そんなことを思いながら……俺は恐らくこれからも今までと変わらない毎日を過ごしていくんだろう。
現状を打開できる方法があるとすれば……忠成、お前が俺のほうに歩み寄ってくれることだけなんだけどな。
そろそろ限界が近いことに、いい加減、気付いてくれよ。
End
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