赤いリップグロス

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朝の陽ざしは今日の悲しい一日の始まりを意味している。僕は重たい瞼を無理に開き、冷蔵庫の扉を開いてミネラルウォーターを取り出し喉を鳴らして飲んだ。昨日の夜は暑かった。朝のシャワーを浴びなければ身体についた汗のせいで一日気持ちが悪い様な気がする。僕は時計を見た。まだ、6時30分だ。シャワーを浴びる時間はありそうに思われる。それに汗の匂いをさせて学校に行くと、いじめが酷くなるかもしれない。 寝巻を脱いで、浴室へ入る。朝は暑いシャワーが目が覚めて気持ちが良い。僕は頭からお湯を浴びると、お湯が身体の上を弾けて流れた。シャンプーを手に取り、髪の毛につける。髪は直ぐに泡立って、良い匂いが浴室を充満させた。10分程そうやって身体を洗ってから、そこを出るとバスタオルで身体を拭き、洗面所で自分の顔を見る。色白で女の様な顔。小さな頃はお人形さんみたいと近所の人に可愛がられた記憶がある。だが何時までもお人形でいられる訳ではない。このところ髭が気になり始めるのだ。剃刀を使って綺麗に髭をそると、まじまじと自分の顔を見る。身長の割に小さな顔。栗色の髪の毛は母譲りなのだろうか。僕のお母さんは若い頃読者モデルをやっていたと聞いた事がある。こんな女みたいな顔立ちだから同級生の男子からいじめを受けるのだろうな。 「青空、何時まで洗面所にいるの?早く学校行かないと遅れちゃうわよ」 母の声が二階建て一軒家の家に響き渡る。
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