洋館のはこ

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「これだけ探しても、見つからないから今日は諦めようか……」  柿谷が安堵(あんど)のある声を上げる。 「そうだよ! 薄暗くもなってきたし」  結局、苦労して何も得られないまま帰ることに、納得ができずはじめには悔しさがこみ上げてくる。だが、みんなからは疲労の色だけが窺えた。無理はしないほうがいいと考えた。ただ、探索に納得できなかった。  そろって一階に降りた後、外に出ようと扉を開こうとしたはじめは、柿谷が立ち止まってる視線にある方向を何気なく見る。そこには地下に降りる階段があった。はじめは思わず階段に向かって指をさす。 「はじめ、どうしたの?」  
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