Stalker

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 何気なく部屋のテレビをつけてみると、ちょうど昼のニュースが流れ始めた。画面には女子アナウンサーが映し出され、ニュースの開始を告げる。女子アナウンサーはそれほど可愛くもなければ綺麗でもなく、どこにでもいそうな感じだ。そして、女子アナウンサーは、早速最初のニュースを読み始める。 「本日、女性に対して執拗にストーカー行為を繰り返したとして、佐藤さとう智春ともはる容疑者が逮捕されました」  それと同時に、画面が切り替わり、パトカーの中でパーカーの帽子を深くかぶり、俯く男性の姿が映し出される。画面の下には『佐藤智春容疑者(36)』と、名前と年齢が表示される。そして、アナウンスは続く。 「佐藤容疑者は、『駅でたまたま見かけて可愛いと思い、何とか接点を持ちたくて、自宅まで後をつけるなどの行為を繰り返してしまった』と容疑を認めています」  ニュースを聞き終えた僕は、フンッと鼻で笑った。ストーカー行為なんて馬鹿げているとしか思えない。そんなもの、相手に気持ち悪がられるだけで、いい関係なんて築けるはずもない。だけど、世の中にはそんな馬鹿な男が溢れている。 「全く、世も末だな」  僕は呟いた。とは言っても、僕は一人暮らしなので、誰もその声に反応してくれることはない。
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