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ミーティング……って、なに?と、数秒考えて、ハッとする。
一緒に帰ろうと言ったら、無理だと返事した結城くん。
「……もしかして、結城くんってサッカー部なの?」
「……」
あたしの言葉に、結城くんはもちろん、中村くんもこっちを向いて、キョトンとする。
そして……。
「彼氏の部活も知らなかったの?」
そう言ってクスクスと笑ったのは、中村くん。
「いや、知らなかったっていうか、なんというかっ……」
結城くんの手前、慌てて否定しようとするけれど、正直知らなかったわけで……上手い言い訳が出て来ない。
隣に立った茜ちゃんからは、「ほら」と言わんばかりの小さなため息が聞こえて。
肝心の結城くんはというと、ふっと少し呆れたように笑いながら、肩を落とした。
──これが、あたしの前途多難な恋の始まり。
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