名前で呼んで。

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名前で呼んで。

週明け、月曜日。登校してきたあたしが玄関で真っ先に探すのは、彼の……結城くんの名前。 あ、まだ来てない……っていうより、朝練かな? 下駄箱に上履きが残っているのを確認して、私はほんの少しがっかりと肩を落とす。そこに、 「なーこっ、おはよっ!」 ポンっと肩を軽く叩いて挨拶してきたのは、茜ちゃん。 「あ、おはよ」 「なになに? もしかして結城くん?」 「っ……!」 図星を突かれ、あたしが思わず顔を赤くすると、 「なんだ。結構良い感じなんじゃん」 ひと言そう呟いた茜ちゃんは、靴を上履きに履き替え、 「菜子にしか買ってないから先に渡しとく。はい、お土産」 肩にかけたトートバッグから取り出して、テーマパークのショッパーを手渡してくれた。 ちらりと中を確認してみると、きっとお菓子が入っているだろう可愛らしい缶が入っている。 「わ、ありがとう! 記念日どうだった?」 「うん、楽しかったよ。てか、私より菜子の方こそどうだったの? その様子だと、チューくらいはしちゃった?」 「なっ……!?」
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