166人が本棚に入れています
本棚に追加
/278ページ
「笑いすぎ」
コツン……と、結城くんはあたしの頭を軽く小突いた。
……あ、今のなんか恋人っぽい。
「ふ、ふふっ」
「おい、姫乃」
懲りずに笑い続けるあたしに、結城くんが少し困ったような様子で声をかける。
つい数日前までは話もしなかったのに、そんなの嘘みたいに仲良くなれてる気がしてる。
少しずつ結城くんのことを知れて、確かに距離は縮んでいる。
それがとっても嬉しくて、結城くんに怒られながらも、あたしは笑顔を止められなかった。
そんなあたし達の様子を、
「あれ……ひめちゃんと、望……?」
遠くから見つめる人の視線には、気付かなかった。
最初のコメントを投稿しよう!