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「プロローグ」
ケーキは、人であれ魔物であれ、誰だって幸せにしてしまう魔法のような食べ物だ。
小さい頃、そう信じていた記憶がある。
昔の記憶に思いを馳せながら、ミーレクは紅茶のように赤みがかった茶髪をポニーテールに結う。
今思えば、あの頃はなんてピュアな考え方をしていたのだろうか。
当時の恥ずかしさと懐かしさに、鏡の中に映る自分は笑みをこぼしていた。
「さて、準備よし!」
小花柄の可愛らしい制服をその身にまとったミーレクはスカートの裾をピッピと払い、軽やかに部屋を出た。
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