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やけに眩しい太陽光が視界に突き刺さり、眩しさから視界に手を翳す。見上げれば、太陽を頂点に荘厳な佇まいを醸し出すアーヴァノッド城が目に入った。広大な敷地を有し、王都の中心に聳え立つ王城は正に国の象徴。その威厳ある姿と、城で過ごした日々を思い出し、ようやくカザハナの中にも郷愁が過ぎった。
数歩踏み出し、止まる。これより先は、王族や貴族等の身分が高い者や城勤めの者以外は進めない。従者とはここで別れることになり、次に会うのは再び北へ向かう時となる。
「ホナミ」
「へ? あ、は、はいっ!」
急に足を止めた主の後姿を不思議そうに見つめていた従者だが、急に名を呼ばれて間抜けな返しで背筋を伸ばす。振り返り見ればやってしまったと言わんばかりの表情をしている。その青さに、自然と顔が綻んだ。
「家族が城下に移り住んでいるのだろう? 必要になったら呼ぶ。久しぶりに顔を見せてくるといい」
「え? な、なんでご存じで……い、いえ、ありがとうございます‼」
勢いよく、深々と頭を下げる従者を尻目に、今度こそ王城の中へと歩みを進める。
城内は壮麗な細工が施され、美術品や絵画が多く飾られていおり、天井ではステンドグラスが太陽光を透かし、足元にすら鮮やかな芸術を感じさせる。自身の足音が響く廊下を早足で進む。兵士や女中がカザハナの姿を認めると道を開け、頭を垂れて行く。
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