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Track 08 : 魔法にかけられて
シーン9 /美容サロン店内・昼
SE : 主人公が店のドアを開ける音
SE : 店内に流れるBGMとざわざわ音
ジュン:
「あっ、いらっしゃい」
SE : 主人公が店内に入る足音
SE : ドアがしまる音
SE : ジュンが主人公に近づく足音
ジュン:
「待ってたよ、お姫さま。
電話してくれて嬉しかった」
SE : 主人公がジュンに紙袋を手渡す音
ジュン:
「ああ、
もしかしてこれ、この前貸した衣装かな?」
SE : ジュンが紙袋を受け取り、中をさぐる音
ジュン:
「わざわざクリーニング出してくれたんだ、
ありがとう。
ん?
服の他に何か入ってるんだけど、
これは?」
SE : 紙袋からクッキーを取り出す音
ジュン:
「あ、もしかしてこれ、手作りクッキー?
ふふっ、そっか。お礼ね。
ありがとう、嬉しいよ。
後でこっそりいただきます」
SE : クッキーを紙袋に戻す音
ジュン:
「ああ、それは違うよ。
甘いものは好き。
ただここのスタッフ、
何だかんだ皆、甘いもの好きで
見つかったらすぐ食べられちゃうから。
ふふっ、そう。だから隠しとくの。
これは僕が君から貰ったクッキーだから。
皆には内緒ね」
SE : 主人公が顔の前で手をブンブン振る音
ジュン:
「そんな大層なものじゃないって、
謙虚だね。
僕のために作ってくれものでしょう?
だったら、僕にとっては特別たよ。
それにね。
君を立ち直らせるきっかけに僕がなって、
お礼にこのクッキーを貰えたんなら。
こんなに嬉しい贈り物はないよ。
……ありがとう」
SE : 主人公が後ろへ少しよろける足音
ジュン:
「ふふっ、また真っ赤だね、トマトさん。
ここで立ち話するのもなんだし、
奥のカウンセリングコーナにいこうか。
ついてきて」
SE : 二人の足音
SE : ジュンが椅子をひく音
ジュン:
「どうぞ、座って」
SE : 主人公が椅子に座る音
ジュン:
「飲み物はなにがいい?
コーヒー、紅茶、煎茶、
イチゴ味のプロテインがあるけど」
SE : ジュンの足音
SE : ジュンが向かいの椅子に紙袋を置く音
ジュン:
「わかった、紅茶ね。
砂糖とミルクはどうする?
一個ずつだね。用意するから待ってて」
SE : ジュンが奥のキッチンへと歩いていく音
SE : ジュンが紅茶を入れている音
SE : ジュンが主人公の元へ戻ってくる足音
ジュン:
「おまたせ。
熱いから気を付けて」
SE : カップをテーブルに置く音
ジュン:
「ん? ……ああ。
ゴミになるから、
砂糖とミルクは先に入れてきちゃった」
SE : ジュンが椅子を引いて座る音
ジュン:
「それじゃ電話でも話したけど、改めて。
メイクやヘアデザイン、
ファッションコーディネートを
担当している千賀野ジュンです。
今日から君の担当になるから、よろしくね」
SE : 主人公が椅子に座り直し、頭を下げる音
SE : ジュンが主人公に手を伸ばし、
頬に触れる音
ジュン:
「緊張してる?
そんなに縮こまらないでね。
ここに来る女の子はみんな、
自分の輝かせ方を知らないだけ。
自分の美しさに気づいてないだけで、
皆それぞれに
自分らしい美しさを持ってる……」
SE : ジュンが主人公の手をとる音
ジュン
「その美しさが引き立つように、
……僕が丁寧に磨いてあげる」
SE : ジュンが主人公の手にキスを落とす音
ジュン:
「シンデレラに魔法をかけるみたいに、ね」
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