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Track 01:出会い
シーン1 / ファミレス・夕方
SE : ドアベルの音
SE : ファミレス店内のガヤガヤ音
店員:
「いらっしゃいませ。
1名様でよろしいでしょうか?
……はい、畏まりました。
ではご案内致します。
1名様、ご案内しまーす!」
SE : 店員と共に歩く音
店員:
「こちらのお席へどうぞ!
ご注文が決まり次第、
テーブル備え付けのベルで
お呼びください。
では、失礼致します!」
SE : 店員が立ち去る足音
SE : 主人公がボスッと椅子に座る音
SE : メニューをペラペラとめくる音
SE : 呼び出しのベルを鳴らす音
SE : 店員が歩いて近づいてくる足音
店員:
「お待たせいたしました!
ご注文をどうぞ!」
SE : メニューをペラペラとめくり、
トントンと指先で叩く音
SE : 機械を操作する音
店員:
「では、ご注文を繰り返しますね。
ミートスパゲティがおひとつ、
ピザがおひとつ、
オムライスがおひとつ、
ハンバーグ定食がおひとつ、
ポテトと唐揚げのセットがおひとつ、
デラックス苺パフェがおひとつ、
モンブランがおひとつ、
季節のフルーツパンケーキがおひとつ、
ドリンクバーがおひとつ……
で、よろしいでしょうか?」
チハル:
「ぶっは! ゴホゴホ……!」
SE : 店員が振りかえる音(衣擦れの音など)
SE : ファミレス店内のガヤガヤ音
店員:
「……お、お客様、大丈夫ですか?」
チハル:
「あーうん。わりぃ、騒がしくして」
店員:
「いえ……。
お冷や、お持ちしましょうか?」
チハル:
「コーヒーがあるからいい。
それよりそっちの、
食べ盛りなお客様の相手をしてやれよ。
接客中だったろ」
SE : 主人公が席を立つ音
チハル:
「なんだよ、怒ったのか?
何があったのか知らねーが、
あんたの胃袋には容量オーバーだと思うぞ、
その品数。
吐くか残すかしか道はねーんだから、
諦めて注文絞った方がいいと
俺は思うけど?」
SE : チハルの席に主人公が詰め寄る足音
SE : 主人公がチハルのテーブルを叩く音
店員:
「あ、あのお客様……?
どうか落ち着いて……」
チハル:
「おい、そこのガキ。
何をイライラしてんのかわかんねーけど。
ストレスの捌け口を食だけに頼ると、
あっという間にドスコイ体型になるぞ」
SE : 主人公が後退り、テーブルが揺れる音
チハル:
「おい、大丈夫かよ。
……って、何も泣かなくてもいいだろ。
ん……?
好きでヤケグイしてるんじゃない、
こっちにも事情はある……?」
SE : ファミレス店内のガヤガヤ音
チハル:
「あーもー、泣くなよ。
しょうがねぇな!
愚痴なら俺が聞いてやる!
向かいの席、空いてるから座れよ」
SE : 主人公が席に座る音
店員:
「ご注文はいかがなさいますか?
……はい、畏まりました。
では、
先程の注文を一旦キャンセルして……」
SE : 機械を操作する音
店員:
「季節のパンケーキおひとつと
ドリンクバーおひとつで
ご注文を確定してよろしいでしょうか?
……はい、では承りました!
少々お待ちくださいませ」
SE : 店員が立ち去る足音
チハル:
「……で、そのドカ食いの事情ってのは
なんなんだよ。
……は? 容姿をバカにされた?
ムカつくから食わないとやってられないって、お前……。
それじゃ逆効果だろ。
容姿をバカにするやつもどーかと思うが、
バカにされて悔しいなら
磨いて見返してやりゃーいーじゃねーか。
甘んじてそれを受け入れる必要なんかねー。
……そんな簡単にはいかないって、
まあ確かにな。
うーん、そうだな……。
あんたがもし、その気があんなら……」
SE : 名刺を取りだし、テーブルに置く音
チハル:
「ここに来いよ。俺が力を貸してやる」
SE : 主人公が名刺を手にする音
チハル:
「本気で変わる覚悟があるんなら。
俺があんたのこれからを、
ガラッと一変させてやるぜ?」
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