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Track 01:出会い
シーン1 / 居酒屋の廊下・夜
カオル:
「……えさん、おねえさーん!」
SE : 居酒屋のガヤガヤ音
カオル:
「こんな所でうずくまって、大丈夫?」
SE : 立ち上がろうとしてよろめく音
カオル:
「おっと」
SE : カオルが主人公を抱き止める音
カオル:
「(近くで)無理して立ち上がったら
危ないよ?」
SE : 主人公がカオルの腕から
離れようともがく音
カオル:
「わ、危ないから暴れないで~!
一旦落ち着こ、ね?
ちゃんと席まで運ぶから~!」
SE : ぴたっと動きを止める主人公
(音がやむ)
カオル:
「ど、どうしたの?
気分悪い? 吐きそう、とか……?」
SE : カオルが主人公の顔をのぞきこむ音
(衣擦れの音など)
カオル:
「なるほど、戻りたくないか~。
それは俺が理由を聞いても大丈夫なやつ?
そかそか。
なら聞きましょう、愚痴を!
どんとこい!」
SE : カオルが胸を叩く音
カオル:
「通りすがりの人に
そこまで甘えられない?
まあまあ、そう言わずに。
それとも、
通りすがりじゃなければいいのかな?
自己紹介が遅れました、
大学生のカオルくんでーす!
って、ありゃりゃ。これでもダメー?」
SE : 主人公がカオルを振り払う音
カオル:
「あ、大丈夫?」
SE : 主人公がよろめき、壁にぶつかる音
カオル:
「ほんとに大丈夫!?」
SE : 主人公が壁にもたれながら
ずるずると地面にしゃがみこむ音
カオル:
「おねえさーん、大丈夫?」
SE : カオルが主人公の目線に合わせて
しゃがむ音
カオル:
「カオルくんは
怪しいものじゃありませんよー?
ほらほら、これ。お店の名刺!
可愛いでしょ?」
SE : カオルから名刺を受けとる音
カオル:
「まじまじと見るねー?
もしかして興味ある?
美容サロンとか」
SE : 名刺を握りつぶす音
カオル:
「あっ、ひどいっ。
何で名刺握りつぶすの~!
あっくんの力作なのに~。
えー、胡散臭いって?
そんなことないのにー。
うちに来て、ラブラブな彼氏が出来ました~☆とか、ざらにあるよ~」
SE : 主人公が膝に顔を埋める音
カオル:
「えっ、なんか地雷踏んじゃった?
ごめん、ごめんってー。
落ち込まないで~!」
SE : 主人公が顔を上げる音
SE : 主人公がカオルの襟首をつかみ
顔を寄せる音
カオル:
「わっ、おねえさん大胆……!
って、え?
ほんとに彼氏が出来るのかって?
おねえさん、彼氏ほしいの?」
SE : カオルから顔を離す主人公の音
カオル:
「あ、変な意味じゃなくて……。
なんこう彼氏いりません!ってオーラ、
漂ってたから意外で……。
って、わ!?」
SE : 主人公がカオルの襟首をつかみ
顔を寄せる音
カオル:
「お、おねえさん近い……!
って、ん? あれ?
な、何でそこで泣くの~?」
SE : カオルの襟首をつかんだ手を離す音
SE : 居酒屋のガヤガヤ音
カオル:
「……へっ?
全然モテない……?
箸にも棒にもひっかからない?
そもそも女の子扱いされたことが
ない?
しかもさっき、長年片想いしてた人に彼女が出来たって報告された?
それは辛いね……」
SE : カオルに壁ドンする主人公の音
カオル:
「わっ、な、なに……?
ほんとに彼氏を作ってくれるのかって?
失恋の痛みは新しい恋で埋めるから……?
そ、それはおねえさん次第かなー……。
うちは恋愛相談所じゃないし、
恋人の紹介はしてないから……」
SE : さらにカオルに詰め寄る主人公の音
(衣擦れの音など)
カオル:
「おねえさん、近いよー。
そんなに興味津々ならお店に来てー?
ちゃんと相談に乗るからー」
SE : 主人公がカオルから離れる音
(衣擦れの音など)
カオル:
「お、おねえさん?
また泣いちゃった……!
だ、大丈夫だよ!
ちゃんと彼氏出来るよーに
サポートするから! ね?」
SE : 主人公の涙を服の袖で拭うカオルの音
カオル:
「おねえさんにピッタリの王子さま、
俺が責任もって
ちゃんと見つけられるよーにします!
だから、ね? 笑って」
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