Track 01:出会い

1/1
前へ
/37ページ
次へ

Track 01:出会い

シーン1 / 居酒屋の廊下・夜 カオル: 「……えさん、おねえさーん!」 SE : 居酒屋のガヤガヤ音 カオル: 「こんな所でうずくまって、大丈夫?」 SE : 立ち上がろうとしてよろめく音 カオル: 「おっと」 SE : カオルが主人公を抱き止める音 カオル: 「(近くで)無理して立ち上がったら 危ないよ?」 SE : 主人公がカオルの腕から   離れようともがく音 カオル: 「わ、危ないから暴れないで~! 一旦落ち着こ、ね? ちゃんと席まで運ぶから~!」 SE : ぴたっと動きを止める主人公   (音がやむ) カオル: 「ど、どうしたの? 気分悪い? 吐きそう、とか……?」 SE : カオルが主人公の顔をのぞきこむ音   (衣擦れの音など) カオル: 「なるほど、戻りたくないか~。 それは俺が理由を聞いても大丈夫なやつ? そかそか。 なら聞きましょう、愚痴を! どんとこい!」 SE : カオルが胸を叩く音 カオル: 「通りすがりの人に そこまで甘えられない? まあまあ、そう言わずに。 それとも、 通りすがりじゃなければいいのかな? 自己紹介が遅れました、 大学生のカオルくんでーす! って、ありゃりゃ。これでもダメー?」 SE : 主人公がカオルを振り払う音 カオル: 「あ、大丈夫?」 SE : 主人公がよろめき、壁にぶつかる音 カオル: 「ほんとに大丈夫!?」 SE : 主人公が壁にもたれながら   ずるずると地面にしゃがみこむ音 カオル: 「おねえさーん、大丈夫?」 SE : カオルが主人公の目線に合わせて   しゃがむ音 カオル: 「カオルくんは 怪しいものじゃありませんよー? ほらほら、これ。お店の名刺! 可愛いでしょ?」 SE : カオルから名刺を受けとる音 カオル: 「まじまじと見るねー? もしかして興味ある? 美容サロンとか」 SE : 名刺を握りつぶす音 カオル: 「あっ、ひどいっ。 何で名刺握りつぶすの~! あっくんの力作なのに~。 えー、胡散臭いって? そんなことないのにー。 うちに来て、ラブラブな彼氏が出来ました~☆とか、ざらにあるよ~」 SE : 主人公が膝に顔を埋める音 カオル: 「えっ、なんか地雷踏んじゃった? ごめん、ごめんってー。 落ち込まないで~!」 SE : 主人公が顔を上げる音 SE : 主人公がカオルの襟首をつかみ   顔を寄せる音 カオル: 「わっ、おねえさん大胆……! って、え? ほんとに彼氏が出来るのかって? おねえさん、彼氏ほしいの?」 SE : カオルから顔を離す主人公の音 カオル: 「あ、変な意味じゃなくて……。 なんこう彼氏いりません!ってオーラ、 漂ってたから意外で……。 って、わ!?」 SE : 主人公がカオルの襟首をつかみ   顔を寄せる音 カオル: 「お、おねえさん近い……! って、ん? あれ? な、何でそこで泣くの~?」 SE : カオルの襟首をつかんだ手を離す音 SE : 居酒屋のガヤガヤ音 カオル: 「……へっ? 全然モテない……? 箸にも棒にもひっかからない? そもそも女の子扱いされたことが ない? しかもさっき、長年片想いしてた人に彼女が出来たって報告された? それは辛いね……」 SE : カオルに壁ドンする主人公の音 カオル: 「わっ、な、なに……? ほんとに彼氏を作ってくれるのかって? 失恋の痛みは新しい恋で埋めるから……? そ、それはおねえさん次第かなー……。 うちは恋愛相談所じゃないし、 恋人の紹介はしてないから……」 SE : さらにカオルに詰め寄る主人公の音   (衣擦れの音など) カオル: 「おねえさん、近いよー。 そんなに興味津々ならお店に来てー? ちゃんと相談に乗るからー」 SE : 主人公がカオルから離れる音   (衣擦れの音など) カオル: 「お、おねえさん? また泣いちゃった……! だ、大丈夫だよ! ちゃんと彼氏出来るよーに サポートするから! ね?」 SE : 主人公の涙を服の袖で拭うカオルの音 カオル: 「おねえさんにピッタリの王子さま、 俺が責任もって ちゃんと見つけられるよーにします! だから、ね?  笑って」
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加