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Track 07:近い……!
シーン8 /美容サロン店内・夕方
SE : ジュンが主人公に身を寄せる音
ジュン:
「まずはアイブロウ。
口角と瞳の端を一直線に結んだ延長上に
眉尻がくるようにするんだけど……」
SE : ジュンが顔を寄せる音
ジュン:
「(耳元で)君の場合はここだね。
長さは少し短め。
今回は女性らしい柔らかさを出すためにも、
丸く半円を描くようにして仕上げる
アーチ眉にしようか」
SE : 主人公が椅子から少しずり落ちる音
ジュン:
「ふふっ、顔、真っ赤だよ。
恥ずかしかったら、目をつむってて。
眉毛は輪郭補正にも使えるし、
気合いをいれて仕上げるつもりだから。
……ん? どういうことかって?
こういうこと。」
SE : ジュンが主人公の顔を覗き込むようにしてアゴを持ち上げ、顔を寄せる音
ジュン:
「(至近距離で)パウダーを使って仕上げるから、
このくらいの距離で向き合って描くことになるよ」
SE : 主人公が椅子の背に体重をかける音
ジュン:
「照れるなら目をつむっててね。
僕も恥ずかしくなってくるから……」
SE : ジュンがアゴから手を離し、
椅子の肘掛けに両手をつく音
ジュン:
「……ここだけの話、
この距離感、
いまだに慣れないんだよね……。
……あ、こら。いま笑ったでしょ。
もう、ずるいな」
SE : ジュンが身を起こし、
主人公から離れる音
ジュン:
「ほら、笑ってないで。
そろそろ始めるよ?」
SE : カートからアイブロウを探す音
ジュン:
「……色はチャコールブラウンがいいかな」
SE : カートからアイブロウを選び、
手にとる音
ジュン:
「じゃあ、描いていくよ」
SE : ジュンが主人公に身を寄せ、
顔を近づける音
SE : 眉を描いている音
ジュン:
「(至近距離で)よし、これでいいかな……」
SE : ジュンが主人公から身を離す音
SE : カートにアイブロウを戻す音
ジュン:
「じゃあ次はアイメイクだね。
色は……、うーん。
チークと合わせて
ピンク系のグラデーションにしようか」
SE : カートからアイシャドウを探す音
ジュン:
「色はそうだな……。
……ピンクローズ」
SE : カートからアイシャドウを選び、
手にとる音
ジュン:
「アイラインは優しい印象が出るペンシルタイプのブラウンで」
SE : カートからペンシルを選び、
手にとる音
SE : ジュンが身を寄せる音
ジュン:
「目、閉じてて」
SE : ジュンが顔を寄せる音
ジュン:
「(超至近距離で)まずはアイラインをひいていくよ。
ふふっ。肩にもまぶたにも力入れすぎ。
力を抜いて。
……そう。いい子だね」
SE : アイラインをひく音
ジュン:
「(超至近距離で)よし、ひけた。
それじゃ、
次はアイシャドウを塗っていくね」
SE : カートに手を伸ばし、
ペンシルからアイシャドウに
持ちかえる音
ジュン:
「(超至近距離で)恥ずかしいかもしれないけど、そのまま目を閉じていてね」
SE : アイシャドウを塗る音
ジュン:
「(超至近距離で)これでよし、と。
次はマスカラだね」
SE : カートに手を伸ばし、
アイシャドウからビューラーに
持ちかえる音
ジュン:
「(超至近距離で)まつげを上げるために
軽くビューラーで癖付けするから、
少しだけ目を開けてくれる?
そう、半目になってくれたらいいから……。
うん、いい子だね。
じゃあ上げます」
SE : ビューラーを動かす音
ジュン:
「(超至近距離で)……これでよし。
じゃあマスカラをつけていくよ。
ちょっと怖いかもしれないけど、
目はそのままで」
SE : カートに手を伸ばし、
ビューラーからマスカラに
持ちかえる音
SE : マスカラを塗る音
ジュン:
「(超至近距離で)……よし、完成。
それじゃ、最後の仕上げにリップだね」
SE : ジュンが身を離す音
ジュン:
「色はもう決めてあるんだ。
……ローズレッド」
SE : ジュンがカートからリップを選び、
手にとる音
SE : 主人公に身を寄せ、アゴを持ち上げる音
ジュン:
「それじゃ、塗っていくね。
……少しだけ口を開けて。
うん。それくらいで大丈夫」
SE : リップを塗る音
ジュン:
「(超至近距離で)……出来た。
ふふっ。
驚かせたいから、そのまま目を閉じてて。
後は仕上げに髪を軽くセットして、
アクセサリーをつけて終わりにしようか」
SE : ジュンがドライヤーを手にして
起動させる音
SE : ジュンが髪をセットする音
SE : ドライヤーの電源を切り、
元の場所に戻す音
ジュン:
「(超至近距離で)髪はこれでよしっと。」
SE : ジュンが主人公から身を離す音
ジュン:
「……あ、まだ目を閉じてて。
アクセサリーをつけるから。
素敵な恋に出会えますように……」
SE : ジュンが主人公を抱き締めるようにして
ネックレスをつける音
SE : 髪にキスを落とす音
SE : ジュンが主人公から少し身を離し、
耳に触れながらイヤリングをつける音
ジュン:
「もう目を開けても大丈夫だよ。
ん? どうしたのかな? 顔が真っ赤。
ふふっ、キス? おまじないだよ。
君が一歩、進むためのね。
それよりほら、鏡見て。
……どうかな?
気に入ってくれたらいいけど」
SE : 主人公が前のめりになり、鏡を見る音
(椅子がきしむ音など)
ジュン:
「自分じゃないみたいって……。
ふふっ、気に入ったみたいだね。
そうやって笑顔を見せてくれるのが、
僕は一番嬉しい。……誘ってよかったな」
SE : 主人公が椅子から立ち上がり、
ジュンに頭を下げる音
ジュン:
「どういたしまして。
……これで今夜は眠れそう?
そう。
美味しいもの食べて、しっかり寝てね。
彼の事は残念だったけど、
きっとまた素敵な出会いがあるよ。
僕にそのお手伝いができれば嬉しいな。
そうだ。名刺、渡しておくね」
SE : ジュンがジャケットから名刺入れを出し、名刺を主人公に差し出す音
ジュン:
「もし君が、
新しい恋に踏み出す勇気が持てたなら、
またおいで。
僕が君に魔法の使い方を教えてあげる」
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