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何らかの事件がおき、現在、オモテ世界とウラ世界の境目が繋がっているようだ。
その亀裂からオモテ世界の幽霊がウラ世界に、ウラ世界の魔物がオモテ世界に侵入している。
だが私たちはオモテ世界の幽霊を倒す術がない。それゆえ、こちらに深刻な被害が出ている。
じきにオモテ世界にもこちらの魔物による被害が出るはずだ。
今は些細な被害でも、そのうち命を落としたりと取り返しのつかないことになるかもしれない。
幽霊退治を引き受けてくれるのならば、我々がオモテ世界に侵入したウラ世界のモンスターを変わりに退治することを約束しよう。
ここは両者の力を合わせようではないか。
いい返事を待っている。
シエル国 国王】
この手紙はパフィが書いたんじゃないんだ。
シエル国の国王っていうことは偉い人からの直々のお願いってこと!?
でもさ……。この命を落としたりって部分。
ここに書いてあることが本当なら私に憑いているダイウンナシって魔物もかなりやばいモンスターじゃない!?
今朝、私は車と衝突しそうになったんだよ。あれは間違いなく命の危機。
ダイウンナシを倒さないと、今後もこういった恐ろしいことが起こったりするの?
そう考えると怖くなってきた。
どうしよう……。でもダイウンナシを倒してもらうにはウラ世界に出現した幽霊を除霊しなきゃってことだよね。
確かに私は火の玉を見たり、金縛りにあったりと軽い心霊体験ならしたことがある。だから霊感はある方なのかもしれないけど、でも除霊なんてやったことないし!!
うううっ、どうしよう。どうしよう。
「恵美ちゃん、どうしたの? ご飯食べないの?」
隣の席のカナちゃんがうなだれている私を心配そうに見ている。
「カナちゃん……どうしよう。幽霊なんて無理だよ~……」
「えっ!? 幽霊? まさか恵美ちゃん幽霊を見たの!?」
「うううっ、違うんだけど。でも幽霊を除霊しなきゃで……」
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