【4】ルーグの秘密?

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「パフィ、ルーグ!」 「エミナ! 学校とやらは終わりましたのね?」 「うん」 「……そっちの陰気な雰囲気が漂ってる人は誰?」 「それはそっくり君に返すぞ。失礼な奴め」 うわっ、ルーグと佐伯さんが火花を散らしてるよ!これは不味い。 「あっ、この人は超頼りになる助っ人なんです! 佐伯晋夜さんといって幽霊退治のプロで……」 「まあ、そうでしたの! ということはちゃんと手紙を読んでくれたのね」 「うん。ウラ世界の幽霊を退治すれば、私のことも助けてくれるんだよね?」 「もちろん。それは保証しますわ」 それを聞いて安心すると同時にこれからの自分に希望が湧いてきた。 私の不運はウラ世界の魔物のせいだったんだもの。 だからそれを倒すことができれば私ってば、バラ色の生活になっちゃうんじゃないの!? 「ふふ……」 「何を笑っているのかね?」 「あっ!」 げげげっ、佐伯さんに聞かれてたし! まあいいや、どうせ変な人だし。多少私が変なことをしても気にしないよ ね!? 「ええと、それよりパフィさん、ルーグさん」 「パフィでいいわよ」 「僕もルーグで良い。……僕はそこまで立派じゃないし。兄さんに比べたら……」 ルーグにはお兄さんがいるんだ。ルーグのこの言い方だと優秀な人なのかな? 「あ、うん。分かった。じゃあこれからはパフィとルーグって呼ぶね」 「オーケーよ。じゃあまずは私たちの世界に来てくださいな」 パフィはそう言うと私の腕輪を触り出した。 「はい。リミッターを解除しましたわ。これでエミナはウラ世界とオモテ世界を好きな時に行き来できるようになりましてよ」 「そうなの!? あっ、でも佐伯さんの分の腕輪は?」 「大丈夫ですわ。 エミナの体の一部に触れている人はそのまま一緒に飛べるはずですから」 「へえ。便利だなあ」 「なるほどな。じゃあ失礼するぞ」 そう言うと佐伯さんは私の肩にちょんと人差し指だけを置いた。
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