133人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
うっ、なんなんだろうこの妙な手の置き方は……。しかも結構力が入ってるし!
普通は腕に手を軽く触れるとかじゃないの?逆に気になるんですけど!
「ん? なんだね?」
「いっ、いえ……」
佐伯さんのすることをいちいち気にしちゃ負けよね! 無事に除霊してもらうまでの辛抱と思おう!
「じゃあ行きますね」
「うむ」
私は腕輪のボタンを押した。
すると景色が一瞬にして暗闇となる。そこからまたたくさんの色の洪水が溢れてきてかと思うと、自然やビルなど様々な景色が形成されて行く。
「うおっ!? なんだね、これは!?」
ふふっ、さすがの佐伯さんもびっくりしてるよ。
そして完全に景色の変化がストップした。
「つきました。ここがパフィとルーグの住むウラ世界みたいです」
「ええ、そう。ここはあなたたちの住む世界と同じ広さを持つ場所。ただし、文化・文明はあなたたちの住むオモテ世界とはまったく別の進化を遂げた世界でもあるわ」
「ふむ。こんな世界があるとは驚いたな。でもいいのか? 私たちが悪さしないとも限らんのに招き入れるなど賢いやり方とは思えんぞ」
「うふふ。その点では大丈夫ですわ。私たちは記憶を操作する術には特化しておりますの。もし悪用された場合、対象の人物のここでの記憶を夢として変換することができましてよ」
「まあ、それは僕たちの国王専属の魔道部隊の仕事だけどね」
「なるほど。そんなことが出来るんだ……」
「あなたたちが遊んでるゲームというのがあるでしょう? もしかしたらあれもこの世界に来たことのある人間の記憶がもとになっているかもしれませんわよ」
「えっ!? じゃあここはゲームみたいな世界ってこと!?」
最初のコメントを投稿しよう!