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「は、はあ……。え? ん?」
意味が分からずキョトンとする。
「パフィ。いきなりすぎるよ。もっとわかりやすく言わなきゃ」
「じゃあルーグ、交代してくださりませんこと?そういうのはあなたの得意分野でしょ」
「まあいいけど……」
ふむふむ。この二人の名前はパフィとルーグっていうみたい。あだ名なのかな?
「……君、今から言うことは信じられないかもしれないけど、ちゃんと聞いてくれる?」
「は、はい」
ルーグの顔があまりにも真剣だったから、自然と私も姿勢を正していた。
「まず君がさっき車との衝突事故にならずにすんだのは僕らが助けたからなんだ」
「えっ?」
「もし助けなければ、あなたは死んでいたでしょうね」
「うえっ!?」
死んでた!? そんな恐ろしいことを。でも、助けたって……
「今、どうやって助けたって思ったでしょう?」
「あ、うん。そ、そうなんだよね」
「じゃあ教えてあげるよ。腕輪の赤いボタンを押してみて」
「えっ? 腕輪……?」
なにそれ? なんのこと?
「左手」
言われるがままに左手に目を向けると――
あれ!? 私の左手に腕輪が付いている。
全然気づかなかった……。というか、いつ勝手につけたの?
そしてたしかに腕輪には赤いボタンがついていた。
「えっと、これを押せばいいのね?」
「そう!」
二人の勢いにのまれて、思わずボタンを押してみた。
――カチッ。
腕輪のボタンを押した瞬間、一瞬にして周囲が真っ暗になる。
えっ!? なにこれ!?
次の瞬間、さまざまな色が上空にあふれたかと思うと景色が一瞬にして海辺、山頂、大都会のビル郡とさまざまに変わっていく。
「えっ、ここどこ? えっ、ええ!?」
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