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「……」
ルーグはネチネチという言葉が相当気に食わなかったのかパフィを怨みのこもった目つきで睨み続けている。
うううっ、なんなんだこの人達は……。
というか、学校! 私、学校に行かなきゃいけないのに!
「あのっ! 私を助けてくれてホントにありがとう。でも学校行かなきゃいけなくて。元の世界に帰りたいんだけど」
「ああ、ごめんなさいね。……ねえあなた、名前はなんていいますの?」
「あっ、うん。私は村井恵美奈だよ」
「ふーん、エミナね、了解ですわ」
うんうんとミリアは頷く。
「単刀直入に聞きますわ。エミナ、なーんか最近身の回りでおかしなことが起きたりしていませんこと?」
「……えっ?」
いきなりなんなんだろう? うーん、思いつくことといえば、最近ツイてないことくらいしかないよねぇ。
「最近運が急激に悪くなった気がするんだけど。……流石にこれはおかしなことには入らないか」
「それですわ!!」
いつの間にかパフィが謎の水晶玉を私に向けていた。
「あ、あの~?」
「エミナ! あなたにはウラ世界の魔物! ダイウンナシが憑りついていますわ! E級モンスター、体力は30」
「えっ!? ダイウンナシって!? ど、どこに……というか、どう見てもどこにもいないけど??」
私は周囲をキョロキョロ。
「何かしらの不思議な力で姿が見えなくなっているみたいだね」
ルーグは真剣な表情で私をジッと見た。
不思議な力? ますます謎めいてきたぞ。
――って、待った!これ以上は無理!! ほんとーに学校に遅刻しちゃうっ!
「あのっ! とりあえず学校に行かせて! このままじゃ遅刻しちゃうよ~」
これでも、入学以来無遅刻無欠席の優等生なんだからね。
「ああ、オモテ世界にも色々ルールがあるもんね。オモテ世界全集を読んでるからなんとなく知ってるよ。じゃあ話は放課後にしよっか」
「オモテ世界全集? なにそれ?」
私は聞きなれない言葉に眉をひそめる。
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