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「……エミナ。君、僕らのことどうせ怪しくておかしな人だと思ってるんでしょう?」
「ええっ!? いっ、いや、そんなことは……断じて」
ないとは言い切れない。というかちょっぴりあったりして?
「パフィ、とりあえず学校に行かせてあげようよ」
「そうねぇ。じゃあ、これだけ渡させていただくわ。いい返事を待ってますからね」
そう言うとパフィは私に一枚の手紙を渡してきた。
「これは?」
「学校とやらについたら読んでくださいな。私たちがどうしてあなたの世界にやってきてあなたを助けたのか。その理由が書かれていますわよ」
「あっ、はあ。了解です」
謎だらけのこの状況について、これを読めば少しは分かるのかな?
「あとそれと……」
ルーグは私の左肩に白いカードをペタッと引っ付けた。
「なっ、なに?」
「まあ応急措置。これでしばらくは運の悪さから解放されるはずだよ完全じゃないけど命を落とすようなことはもう絶対に起きないから」
「――!! ほんと!?」
うわあ、それは有り難い。
「ああ。じゃあオモテ世界に帰るといいよ。腕輪の赤色のボタンをもう一度押せばオッケーだから」
なるほど。もしかしてこの腕輪があればこの不思議な世界に自由に行ったり来たりできるのかな?
「言っておきますけど。あなたに付けたその腕輪には使用制限がかかっていますの。回数は四回」
四回。車を避けるために二回。で、今こっちに来るので一回使用。
残りはあと一回。
「じゃあ今、元の世界に戻ったら……」
「そう。もうボタンを押してももうこっちの世界には来れないですわ」
「なるほど。そうなんだ」
ちょっと残念な気もするけど仕方ないよね。とりあえず元の世界に戻らなきゃ!
「じゃあ帰るね」
「はーい。じゃあ私たちもエミナの家の周囲にいますからね。学校が終わったらまた会いましょう」
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