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【2】国王からの手紙
元の世界にもどってきた私はダッシュで学校に到着。
私立蛙学園高等部。それが私の通う学校の名前。
制服がとってもかわいいのが気に入って、家からちょっと遠いけどがんばって合格したんだよ。
ふー。なんとか無遅刻の記録を更新した私は一年二組の自分の教室に入る。
「恵美ちゃんおはよう、今日は時間ギリギリだったね」
友達のカナちゃんが声をかけてくれた。
「うん、ちょっと色んなことがあってね」
私は苦笑い。
牧原カナちゃんは私がこの学園に入ってとっても仲良くなった友達。
可愛くて、アニメ声優もできちゃいそうな癒し系のボイスの持ち主。その上、女の子らしいのでモテないわけがない!実際告白もされまくり。
だけど、カナちゃんはぜーんぶ断ってるの!だって、カナちゃんには想い人がいるから。
モテモテのカナちゃんが好きになるほどの男子が誰かって超気になるでしょ?
なんとその片思い中の相手は私たちのクラスにいるんだよね。
名前は速水尚也。窓際の一番後ろの席の子。
ちなみに私は廊下側の一番後ろ。カナちゃんとは隣同士の席なんだ。
「ねえ、恵美ちゃん。尚也さん今日も素敵だよぉ、見て見て!」
そう言われ尚也君に目を向ける。
「えー……」
髪に寝癖はついてるし、机の上はごちゃごちゃしててなんだかだらしない。
うーん、いつ見てもどこが素敵なのか私は理解に苦しんじゃう。
「カナちゃん、何回も聞くけど尚也君のどこがいいの?」
「ええっとね。地味でどこか間抜けで、でも憎めなくて素朴で。こんな魅力的な人いないよぉ……。はああ~、どうしたら尚也さんは私の好意に気づいてくれるのかなぁ……」
ほうっとカナちゃんは頬をあからめて、乙女なため息をついている。
えぇっと、好きなポイントがあまり褒めてない気がするけど……?
「そういう恵美ちゃんこそどうなの?」
「えっ?」
「好きなタイプだよ」
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