ハゲ死ね

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ハゲ死ね

 2035年7月4日  上杉寛はメチャカモンだと自負している。  山梨で狡賢いって意味合いだ。  金が欲しくて額が広い奴を次々に殺した。  オタク仲間の正名秀忠、叔父の上杉漣、高校の同級生の長尾理、みんなハゲだ。  狡賢いって思っているのは自分だけらしく、上杉顕って伯父にハンマーで殴られたが死ななかった。  高原春奈を殺したのは上杉顕だと寛は思った。横浜の屋敷でバラバラ死体が見つかった。左手首は冷蔵庫、右手首は押入れ、首は西洋の鎧兜の中から見つかった。  高原春奈は超有名な女優である。死体を発見したのは友永とかいう謎の人物だ。    山崎千尋は聖天堂病院の外科医だが、給料をほとんどもらっていない。今、流行りの無給医だ。最初はアパート住まいだったが、マンガ喫茶に塒を変えた。  友永は食品会社に面接に行ったが、不採用通知が送られてきた。悲しくて涙がたくさん溢れた。気分転換にアパート近くの公園に行くと政子がベンチで夕焼けを見つめていた。  野外でセックスした。  ペニスをヒダヒダの奥にすすませると愛液を迸らせた。 「アウッ!スゴィィ……」  ザーメンを放出すると、友永は「異空にイクゥッ!」と喘ぎながらタイムスリップした。  平家滅亡後、頼朝と義経は対立し、挙兵に失敗した義経は郎党や妻妾を連れて都を落ちる。文治2年(1186年)、義経の愛妾の静御前が捕らえられ、鎌倉へ送られた。政子は白拍子の名手である静に舞を所望し、渋る静を説得している。度重なる要請に折れた静は鶴岡八幡宮で白拍子の舞いを披露し、頼朝の目の前で「吉野山峯の白雪ふみ分て 入りにし人の跡ぞ恋しき 」「しづやしづしずのをたまきをくり返し 昔を今になすよしもがな 」と義経を慕う歌を詠った。これに頼朝は激怒するが、政子は流人であった頼朝との辛い馴れ初めと挙兵のときの不安の日々を語り「私のあの時の愁いは今の静の心と同じです。義経の多年の愛を忘れて、恋慕しなければ貞女ではありません」ととりなした。政子のこの言葉に頼朝は怒りを鎮めて静に褒美を与えた。  政子は大姫を慰めるために南御堂に参詣し、静は政子と大姫のために南御堂に舞を納めている。静は義経の子を身ごもっており、頼朝は女子なら生かすが男子ならば禍根を断つために殺すよう命じる。静は男子を生み、政子は子の助命を頼朝に願うが許されず、子は由比ヶ浜に遺棄された。政子と大姫は静を憐れみ、京へ帰る静と母の磯禅師に多くの重宝を与えた。  同年、政子は次女三幡を産んだ。政子の妊娠中に頼朝はまたも大進局という妾のもとへ通い、大進局は頼朝の男子(貞暁)を産むが、政子を憚って出産の儀式は省略されている。大進局は政子の嫉妬を恐れて身を隠し、子は政子を恐れて乳母のなり手がないなど、人目を憚るようにして育てられた。  奥州へ逃れた義経は文治5年(1189年)4月、藤原泰衡に攻められ自害した。
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