カワイイ??

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「あのな、前々から思ってたけど……。 そんな格好で無防備に寝てても安心な位、俺って無害に見えるん?」 「へっ?」 何が言いたいのか、全然分からない。 「俺かて、まあ普通には性欲とかもあるんやで? 襲われるかもとか思えへんの?」 思いがけない単語が出てきて、思わず素数を二度見してしまった。 すると素数も私を見た。 「……自分、可愛いやん? その……。 そない格好であんまり気ぃ抜かれると、こっちも困んねん」 そう言うと、くるりと背中を向けて立ち上がり、 「俺、風呂入ってくる。 自分も眠いんなら、そろそろ部屋に戻り」 と、振り返る事無く、リビングを出て行った。 ……えっ? ちょ……。 今の何? いやっ、可愛いって何?? うわーーーーー!!! 一気に体温が上昇するのを感じた。 ダメだ。めっちゃ照れる!! ドタドタと自分の部屋に駆け込み、布団を被る。 向こうの方から聞こえるシャワーの音にすらドキドキしてしまう。息が上がる。 まさかやっぱり私、素数の事が好きなの? ……いやいや、そんな事は無い。 久しぶりに男の人に可愛いとか言われて、舞い上がっただけだ、多分。 それにしても、素数は何を思ってあんな事言ったんだろう? 私の事、もしかして、ちょっとは意識してる? って、そんな訳ないか……。 それにしても、可愛いとか……。可愛いとか!! ……うわーーーーーー!! 照れる!!! そんなこんなで、その夜は中々寝付けなかった。
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