壊れかけた心

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朝起きると、家の中は、しん、と静まり返っている。私は携帯のアラームの音で起きて、リビングに向かう。キッチンにはいると、昨日私が使ったお皿がそのまま置いてあった。 今日も両親は帰ってきてないみたいだった。 テレビをつけると、少し気が紛らわせた。いつまで経っても、一人の沈黙には慣れない。 いつものように朝食を作り、一人でそれを食べ、学校へいく準備を始める。春から中学校に通い始めたので、小学校の頃より早く家をでなければならなくなった。 玄関をでて、鍵を締める。通学路の途中にある公園で、花音と合流する。 「おはよー、とわ」 「おはよう」 花音と歩き始める。 花音は保育園の頃からの幼馴染で、名前のごとくふわふわした雰囲気の女の子。 花音はいつも私と一緒に居てくれる。保育園の頃、両親が仕事で私が家に一人の時、よく一緒に遊んでくれた。 「今日私当たっちゃうんだー。嫌だなぁ、数学」 「花音なら大丈夫だよ。数学、苦手じゃないでしょ?」 そうだけどー、と花音が頬を膨らませる。 リスみたいで可愛い。 花音と喋りながら歩いていると、あっという間に学校についた。花音とは違うクラスなので、廊下で別れる。 教室にはいると、茉莉亜が先に着いていた。 「とわー!もう、遅いよ〜!」 ごめん、と謝る。茉莉亜も保育園の頃からの幼馴染。茉莉亜と、花音、もう一人女の子がいる。 茉莉亜は活発で、あまり喋ることが得意ではない私とは真逆だった。 「ねぇ理科の宿題見せてくれない?やってなくてさぁ」 「また?もう、しょうがないな。」 ありがと!と、茉莉亜が私のノートを持っていく。茉莉亜はテニス部で、強いみたいだった。私はテニスに詳しくないから分からないけど、集会で表彰されてるのを何回も見たことがある。
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