3人が本棚に入れています
本棚に追加
15年後
十五年後。
時が過ぎるのは早い。
特に大人になってからは。
気がつけば一年、また一年と過ぎる。
そして、また年をとる。
「お父さーーーん!」
少し離れた所で陽多が手を振っている。
娘はもう二十一歳。
すっかり大人だ。
今日は雲がなく快晴。
夏が近づいてるせいか、暑い。
そんな中、娘と親子デート中だ。
「お父さん、歩くの遅いよ」
「父さんも若くないんだ、労わってくれ」
「お父さん見た目若く見えるから、全然大丈夫だよ!」
「なにが大丈夫なんだ‥」
陽多は小さい頃と変わらず元気いっぱいだ。
「今日は暑いねー」
今日の陽多の格好は、白いワンピースにサンダル。
「もうすぐ夏だからな」
太陽の陽射しが気になるらしく麦わら帽子を被っている。
帽子からは長い髪が伸びていた。
十五年前に傘を渡した‥女性と瓜二つだ。
十五年前のことで記憶が違ってるかもしれない。
でも‥あまりにも似過ぎている。
偶然なのだろうか?
最初のコメントを投稿しよう!