誰もいない車両

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誰もいない車両

仕事帰りの電車。 一両目の車両には、俺以外に誰も乗っていない。 前の駅で一気に降りたからだ。 外を見ると曇り空が広がっている。 今日は雨が降るかもしれないと予報していたっけ。 一応傘を持っていくよう妻に言われたが、持たずに出てきてしまった。 帰ったら怒られるな‥。 電車の扉が開く。 この駅は無人駅で乗車する人は滅多にいない。 だが、今日は‥。 足音が聞こえる。 どうやら誰か乗車したみたいだ。 珍しいな‥。 だんだんと足音が近づいてくる。 誰も乗ってないから好きな座席に座れるぞ。 外の曇り空を見ながら足音を聞いていた。
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