空界

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4月7日月曜日、ついに高校2年生、今日は始業式。まあ、2年生になるからと言って、特になにかが変わることもないけど、気分的な話ね、少しはテンション高めかな。 「おはよ、彩里(あいり)」 「あ、おはよ華純(かすみ)、なんか久しぶりだね!」 そう言うと彼女は私の右斜め前の席に座り、準備を始めた。彼女は船戸彩里(ふなと あいり)、この学校の多くの女子生徒の中で、私がゆういつお気に召した、とても純粋かつ可愛い女の子だ。 自己紹介をしてなかったけど、私は佐倉華純(さくらかすみ)ごく普通の、女子高生です。 「ねえ華純!」 準備を終えると彩里は、無自覚な、しかも攻撃力の高い笑顔で話しかけてくる 「ん?何ー?」 「クラスさ、同じだといいね!」 「そうだね!私彩里いないと死んじゃうかも...」 「私もだよー、やだなぁ」 そう、この日はワクワクの裏腹にドキドキがある。私はそれが凄く嫌いだ。このドキドキは恋愛のドキドキでも、緊張のドキドキでもなく、運にかけるしかない、なんとも言えないドキドキだ。 「まあ、3クラスしかないからさ、運にかけよーよ」 「そうだね!華純と同じクラスになれる様に祈っとく!」 「うん!」 キーンコーンカーンコーン 鐘がなった、朝のホームルームの時間だ。私はしっかりと前を向き、先生のながーいながーいホームルームを退屈そうに聞くのが日課だ。 「というこのなので、みなさんしっかり校長先生の話を聞くように!じゃあ終わります」 気をつけ、礼、ありがとうございました 「ありがとうございましたー」 きっと、次の始業式の話をしていたんだろう、私は春休みボケがまだ激しいせいなのか、朝っぱらから睡魔に襲われている 「華純、もしかして寝てない?笑」 「いや、リズムがねぇ」 「だーよね、私もだよ、なかなか直らない」 「あ、そーだ、次何順だって?」 「普通に背の順だってさ。」 「おっけー」 彩里は眠くても、なにかと人の話は聞いているから、すごく助かる。 そして私達は始業式に向かう 校長の話というのは、大抵誰もが嫌がるであろう、しかし、私の学校の校長は話がすごく短い、きっと私達も体験したように、新しい1年生はとても感動するだろう。入学式前の1年生の反応を見てみたいものだ。 「それでは、今年1年も、また頑張りましょう」 やっぱり、短い。 「えー、では、これから1つ、お話があります」 でーた、この学校では校長の代わりに、超面倒くさい教頭がいる。 「えー、じゃあ、こっちに来てもらって」 その瞬間、空気が変わった。女子はもちろん、男子までもだ。ざわざわし始めた...誰もが思っただろう、爽やかな髪型、綺麗な横顔、細身な体、そう、いわゆるイケメンだ。 「やば、え、かっこよくね?!」 隣にいた加耶(かや)が私にそう言った 「ほんとそれな、めっちゃかっこいいね」 私もみんなもざわざわしている中、教頭の言葉ですぐに静まった。 「えー、じゃあ、自己紹介をお願いします」 「はい、私は生汰智 蓮(いたち れん)です、皆さんといち早く仲良くなれるように、頑張ります」 「はい、ありがとう、蓮君は2年A組に入ります」 おっとまてよ、まあ2年の特に女子のテンションはダダ上がりだが 私は不安を覚えた 教室に帰り、休み時間になると、男子達はものすごいスピードで蓮という転校生に話を聞いていた、次は学活の時間、自己紹介的なやつだ。 「よーし、じゃあ、さっき紹介があった、生汰智 蓮君だ、席はあそこの窓側の列の後ろな、華純の隣」 うっ、女子の視線が怖い... 「えっと、華純さん、よろしくね」 「よ、よろしく」 本当に周りが怖い笑 そして、みんなの自己紹介も終わり、休み時間、周りの女子たちの会話が聞こえてきた 「華純と蓮君の目の感じ、めっちゃ似てない?」 「それ思った!似てるよね!」 目が似てる...? 「華純、聞こえた?」 「あ、うん、聞こえた」 「私もそう思うんたよね」 「え?」 同じクラスになれたことはとても嬉しいがこの一言で、とうとう彩里がおかしくなってしまったのかと思った。
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