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木曜日は、開発部の広瀬涼音の番だ。
「お弁当、こんなの作ってみました。」
可愛いバッグの中から取り出し、自信ありげにお弁当箱の蓋を開けると、そこには鮮やかな色のサンドイッチが入っていた。
「おや、耳を取り除いた薄い食パンに切れ目をいれて、具をはさんでいるのか。僕、こんなサンドイッチ初めて。卵焼きにトマト、キュウリ、レタスをマヨネーズで味付けして、ここまでは普通だけど、おっ、これは鶏肉、照り焼きチキンだな。甘辛い味付けが食パンによく合う。うん、美味しい。」
食べやすいようにした気配り、具の味付けの調和、流石だと思った。
広瀬涼音は、夢中になってかじりつく僕を優しい眼差しで見つめている。将来、絶対、良いママになると思ったよ。
そんでもって、用意してくれた水筒の中身は、アイスコーヒーの微糖だ。僕の好みを良く調べているな。コップに注いで、僕に渡してくれた。
その時、偶然、指先が触れたんだけど、恥ずかしそうな表情に僕は胸がキュンキュンしてしまったよ。
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