３人で恋しましょ♪

黒髪の家

俺だって、バカじゃない。
生きて家に帰りたい。

『わ、分かった･･･！分かったから！
　手、離してっっ！』

外で３人で腕組んで歩いたら 目立つじゃん。
これ以上、人目に晒されるのはイヤだ。

俺は、ひっそり目立たず 生きていたいんだ。

『そーお？逃げようなんて考えないでね？』
『まぁ、逃げても追いかけるけど、･･な？』

『･････っっに、逃げません･･･』

『ふふ♪いいコいいコ♡』
『ホント。可愛いなぁ♡』

『･･････････』

やっと、組んでた腕を離してくれたと思ったら
今度は 頭を グリグリ撫でられる。

･･いいコ (どこが？)とか
可愛い (なにが？)とか
ホメられてる････んだろうけど、
全然、まったく 嬉しくない。

つーか
ムダに背ぇ高いな･･･コイツら。

だからなのか、この威圧感は。
逆らえない、この変な感じは。

結局、腕は組んでなくても
３人で横並びに歩いているだけなのに
道行く人にジロジロ見られてしまって
俺の最悪な気分は
黒髪の家に着くまで続いたのだった。

＊ ＊ ＊

ドーン。

『着いたぞー。ここが俺んちだ♪』

ドーン。

『へ････え？ こ、ここ？』

『ああ♪ここ、だ。』

ドドーン。

目の前には、白亜の豪邸。

『･････えぇぇー･････』

なんだ、なんだ？？
すっげー、でかい家っ！！

もしかして、
コイツ･････すっげー 金持ちなの！？

口を開けたまま、ポカーンと豪邸を見つめてると
クスクス笑う声がして、ハッと我にかえった。

『さ。どうぞ、我が家へ～♪』
『どうぞ、どうぞ、中へ～♪』

まるで、王子さまのように 俺の手を取り
黒髪が家の中へと入っていく。

『ほ、ほぇー･････』

な、中も すげー ゴージャス。

これぞ、金持ちって感じ？

ほえぇぇぇー･････