AM7時のタカナシさん

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 店に前を東から西に向かって、サラリーマン風の男性が通り過ぎる。続いて子供が。次におばさんが。この街の過半数はこの店の前を東から西に向かって歩く。そういう性質を持っている。時折気でも触れたのか。西から東へ。あまつさえこの店の中に入ってくる奇特な者もいる。来たもんはしょうがない。何かをしようと思い立ち、とにかくそこらに転がっている文字を買わせる。挙げ句それが私の生業だ。特に決まったタスクはない。とかく暇があれば本を積む。機械的に積まれていく本たちに、些か賽の河原との相似関係を匂わせている。決まった手順がある辺りこちらの方が質が悪いかもしれない。稀に積み上げた本の場所を聞かれるが、何故本を積んでいるのかは尋ねられない。まぁ答えられないのだからありがたい。
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