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タカナシさんは頷く。私の頬は紅潮した。気分が高ぶる。もしかしてそれは初めてかもしれない。初めて私はタカナシさんに必要とされたのかもしれない。高揚した心持ちで荷物をまとめる。私は急いで結論を伝えようとするが、タカナシさんはそれを制した。時間があったら。と同じ言葉を繰り返す。
「もし時間があったらゆっくりと考えてみてほしいんだ。君にとっても必要なことだから」
「……」
勢いを殺された私は若干不満では有ったが、今の自分の高揚感に比べるとそれは些細なことだった。はい。とだけ答えると私はゆっくりとお辞儀をしたのだった。
「お疲れ様でした」
答えもう出ている。
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