35人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
これは、ランク傘です。
貴方様の、幸運度を、色で表します。
ちなみに、傘を手にすると、透明から始まります。
下から順番に、透明、黄色、緑、青、赤、虹色に変わります。
是非虹色にして、幸せを掴んで下さい。
傘を手にすると、ラッキー度が上がります。
僕は、歓喜した。
退屈で、社会は冷たい。
けれど、この傘は、僕を受け入れた。
早速会社に、営業の報告。
上司には、入社して以来初めて褒められた。
僕が、傘を手にして3ヶ月経った頃、傘は、赤色にまでなっていた。
課長に、昇格の話も頂いた。
全て傘のお陰だ。
傘を手にして、1年。
僕は、到頭課長になった。
そして、来月結婚の予定だ。
僕の傘は、ついに虹色になった。
僕は、彼女と歩いていると、傘を差さず絶望している青年を見かけた。
まるで、傘と出会う前の僕だ。
「すみません！良かったら僕の傘を使って下さい。」
青年は、驚いた顔で答えた。
「良いんですか？…ありがとう御座います。」
雨のせいか、泣いている様にも見える。
絶望している人にとって、人の優しさは、天迄届く光だ。
僕は、微笑みながら傘を渡した。
傘がなくなっても僕は、好調だった。
1ヶ月後に結婚もした。
あの傘は、僕に幸せを与えてくれた。
なら次は僕の役目は次の人にこの傘を渡す事。
あの傘は、何処から来たのだろう？
神の悪戯だったんだろうか？
僕は、今日も幸せに会社に向かった。
最初のコメントを投稿しよう！