雨の日も悪くない

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変に急かしてしまわないよう,ゆっくりと間を取って話しかける。 「……帰ろっか。お家わかる?」 男の子はあかりの顔を見つめたまま,動かなかった。 瞳が細かく揺れる以外微動だにしない。 信用できる相手なのかどうかを判断しようとしているのかもしれないな,と明かりは思う。 だから辛抱強く待った。 ずっとしゃがんでいるせいで足がピリピリし始めていたけれど。
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