プロローグ

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プロローグ

 歴史を語るつもりなら、三人称あたりが最も適した視点だとは思う。可能な限り私という人間の匂いを潜めて、そして客観的に書き留めるべき。だから、こんな文体である時点で世間に純粋な真実なんてものを提供したいわけではないことをはじめに述べておかなければならない。  ここで述べるつもりなのはあくまで歴史的出来事の記録ではなく、あくまで個人の、個人的に過ぎる物語。しかも、華々しい英雄譚とかではなく、女々しい復讐譚なんかに属する類いの。
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