プロローグ

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「麻生君、顔を上げて」 「はい…」 「悪いのは麻生君だけじゃないわ。いつまでも過去に縋り続けた自分も悪いの。 ねえ、麻生君。あたしも過去を切り捨てて前に進むことにしたわ」 「高田さん…」 久しぶりに笑顔を見せる彼女に、肩から荷が降りたのかボクもホッとした。 「麻生君、質問の答えは “ノー” よ」 「………」 彼女の口から出た “ノー ” の文字にボクは想いを伝えるか、伝えまいかと迷ってしまった… 「麻生君?」 「あ、あの…高田さんは…」 「うん?何かしら?」 「ボクみたいなガキに好きですと言われたら、受けれますか?」 「………」 ボクの質問に彼女は目を丸くして黙り込んでしまったが……
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