嘘の始まり

2/31
5294人が本棚に入れています
本棚に追加
/363ページ
「うわっ、なにその顔」 開口一番そんな言い方酷いと思う。 とはいえ自分でもそれなりに自覚はある。 カバンから鏡を取り出してみると、朝と変わらない腫れぼったい目が映っていた。 「はるかせんぱ~い!」 折角落ち着いたと思っていたのに、先輩の西内晴香の顔を見たらまた涙が溢れそうだ。 「ちょっと、私が泣かせたみたいじゃない。やめてよ」 目を腫らして今にも泣きだしそうな後輩に、本当にこの人は……。 本当は心配しているくせに、ツンデレなのか。 「ちゃんと泣き止んでお化粧直してきなさい。課長には適当に言っておくから」 .
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!