嘘の始まり

25/31
前へ
/363ページ
次へ
「しかし、西内がああ言ってたからな」 「でも、時間もまだ早いですし」 「いや、やはり送っていこう」 ひとりにして欲しかった私の希望は打ち砕かれた。 「ありがとうございます」 心にもないけれど。 タクシーを止めようとした課長を引き留めた。 この場所から自宅までと考えるといくらかかるのか想像もつかない。 「電車、まだありますよ」 「タクシーのほうが早いだろう」 そうだけど……。 .
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5316人が本棚に入れています
本棚に追加