嘘の始まり

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それにうちに寄ってから課長の家に帰ったらさらにいくらかかるのか。 そんな心配はよくよく話を聞くと杞憂だったことがわかった。 「え、最寄り駅同じなんですか……」 まさかの同じ駅に驚いたけれど、今まで課長に遭遇したことは1度もない。 課長は誰よりも早く職場に着いて、誰よりも遅くまで仕事をしているからかもしれない。 土日はどうしているのか不明だけれど。 「だから心配は無用だ」 そこまで言われて断ることも出来なくて、なにを話したらいいかわからない上に、運転手がいるとはいえタクシーにふたりという状況が出来てしまった。 緊張する。 「今日は元気がなかったが、仕事で困っていることがあるならひとりで抱えることはない」 .
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