解けなかった誤解

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冷静で、頼りがいがあって。 出世するのもわかる。 それに比べて貴稔の情けない様子にはがっかりした。 もう別れたとは言っても、1度は好きだと思った人だったのに。 一昨日の涙を返してほしい。 あのときはこんなに簡単に吹っ切れるとは思いもしなかった。 ある意味課長のおかげ。 「じゃあ、きっぱり別れられたんでしょ。よかったじゃない」 「それはそうなんですけど、課長に嘘ついちゃったから落ち着かなくて。なにか悪いことが起きる気がしてしょうがないんです」 「確かにあいつに弱みを握られるのは辛いわね」 .
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