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ホテルに着くと、ロビーで優雅にお茶している友達を見つけた。
離れた場所から見ていると、本当に私の友達なのかと思うほど楽しそうで。
幸せに満ちた笑顔で話している様子は近寄りがたくもある。
仕事に疲れた私を見たら驚くかもしれない。
彼女たちは勝ち組で、私は負け組なんじゃないかと急に卑屈な感情が湧いてきて帰りたくなった。
「唯花! 遅いじゃない」
思わず踵を返そうとした私を見つけた友達の佳子に呼び止められて、帰るタイミングを失った。
実際帰ったりは出来ないのだけれど。
「ごめん、仕事で。これでも急いで来たのよ」
「なにキャリアウーマンみたいなこと言ってるのよ」
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