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「緋朝?….あ、何!?血だらけじゃない!」 「水夜!部屋に何か化け物がいる!」 俺は開けっ放ししている部屋の中を指さした。 水夜は俺の部屋に入ろうとしたが、肩を掴んで止める。 「危ない。やめろ」 「ダメよ、緋朝を傷つけたわ」 「俺は大丈夫だ。これはそいつが吐き出した血だから。怪我はしていない」 水夜は、俺の頬の血を自分の手で拭うと、ちょっとホッとした表情になる。 それから、俺の部屋に勢いよく入って行った。 「やめろ、水夜!危ない!」 入りたくなかったけれど、水夜が危ない。 俺も後を追いかけた。
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